『大震災の後で人生について語るということ』橘 玲 (著)を読了。

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私が傾倒している作家のうちの一人、橘玲さんの新刊です。今までの「橘玲ワールド」の集大成と言うべき内容でした。

「これからの日本は大きく変わるよ、だからあなた自身も変わらなくちゃ」と世に問いてきた橘玲さんですが、いわゆる「3・11」(東日本大震災とそれに伴う福島第一原発の事故)を期に「本当に日本が大きく変わってしまった」世界を目の当たりにして、それでもなお変わろうとしない(出来ない?)日本の今の姿を憂い、改めてもう一度「日本よ、日本人よ、今こそ変われ!」と叫んでいるように思えました。

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第一章:日本人の人生設計を支えてきた4つの神話

  1. 不動産神話:不動産は上がり続ける。持ち家は賃貸より得だ。
  2. 会社神話:会社は潰れない。大きな会社に就職して定年まで勤める。
  3. 円神話:円は最も安全な資産だ。日本人なら円資産を保有するのが安全だ。
  4. 国家神話:国家が破綻することなどありえない。定年後は年金で暮らせばいい。

1997年の金融危機と、2011年のいわゆる「3・11」という2羽の「ブラック・スワン」が日本を襲い、4つの神話は崩壊した。

第二章:「3・11」後の人生設計はどのようにしたらよいか?

1.「人的資本」のリスクを分散すべし

  • 「会社」に人的資本のすべてを預けることは極めてハイリスクな人生設計
  • サラリーマン(ゼネラリスト)から得意分野・専門分野を持つスペシャリスト(プロフェッショナル)を目指す
  • 高い評判を獲得する(公的評判=資格、非公式な評判=「あいつは仕事がデキる」という実績)
  • マックジョブからクリエイティブ・クラス(=労働人口の上位20%)を目指す
  • クリエイティブ・クラスの中でも、拡張不可能な仕事(スペシャリスト)より、拡張可能な仕事(クリエイター)を目指す

2.「金融資本」のリスクを分散すべし

  • 個人のリスクを国家の経済的リスクから切り離す
  • 金融資本リスク=金利上昇、インフレ、円安=これらに保険(ヘッジ)をかける
  • 低利の固定金利で融資を受ける、商品資産(コモディティ)を持つ、外貨資産を持つ(FXでも可)
  • 世界株投資をする(ETF)

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ここで語られていることは、すでに橘玲さんの既刊で何度となく警鐘を鳴らしてきた部分であり、そういった意味では既刊を読んだことがある人にとっては新鮮味がないかもしれませんが(そのことは本書内でも触れられている)、「これから変わるであろう未来」に対する警鐘ではなく、「すでに変わってしまった現在」に対する警鐘という点では、やはりその意味合いや「重み」は大きいと思います。

最後に、橘玲さんの公式ブログから、前書きの一部を引用させていただきます。

この本は、私たちの世界を変えた「2つの災害」について書かれています。ひとつはもちろん東日本大震災と原発事故、もうひとつはいまから14年前に日本を襲い、累計で10万人を超える死者を出した「見えない大災害」です。

この「見えない大災害」によって戦後は終わり、日本は新しい社会へと移行しはじめました。しかしほとんどのひとはこのことに気づかず、3.11によってはじめて、私たちはこれまで目をそむけていた人生の経済的なリスクに正面から向き合わざるを得なくなったのです。

引用元: 『大震災の後で人生について語るということ』はじめに | 橘玲 公式サイト.

大震災の後で人生について語るということ

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橘 玲
講談社
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