macOS をゼロから再インストールする機会があったので、その際に再セットアップした内容や手順なとをまとめてみました。
特にプログラム開発を行う環境を整備するのに必要な機能やツールを中心にご紹介します。
今回セットアップしたパソコン
- MacBook Air (13-inch, Mid 2012)
- プロセッサ 1.8 GHz Intel Core i5
- メモリ 8 GB 1600 MHz DDR3
- グラフィックス Intel HD Graphics 4000 1536 MB
- OS macOS Sierra バージョン 10.12.6
事前準備
なにはともあれまずは Command Line Tools
まず最初は「Command Line Tools」(コマンドラインツール)をインストールをします。
Command Line Tools とは、Mac のいろいろな操作をマウスなどの操作ではなく、キーボードなどから直接命令を送れるようになるツールです。
「ターミナル」と呼ばれるアプリのコマンドライン(キーボード入力を受け付けるところ)を介してパソコンの各種処理を行えます。
あらかじめ命令をまとめて記述しておけば、いちいちマウスを動かしてクリックなどの操作をせずに、一気に命令を処理したり、自動化したりすることができる便利なツールです。
※ターミナルとは?
いわゆる「黒い画面」と呼ばれるアプリのことです。今の標準設定では背景色は黒色ではなく白色なんです。ちょっと拍子抜けしてしまいますね。
このあといろいろなプログラムをインストールしていくのですが、Command Line Tools がすでにインストールされていることが前提のものも多いので、作業をスムーズに進めるためにこの時点であらかじめ Command Line Tools のインストールを事前に済ませておきます。
Command Line Tools をインストールする
では Command Line Tools をインストールしてみましょう。
インストールには2種類の方法があります。
1つ目は、App Store から「X Code」というアプリをダウンロードして、インストールします。
X Code は本来は iPhone や iPad 用のアプリを開発するためのツールなのですが、X Code の中に Command Line Tools も含まれているので、X Code をインストールすると合わせて Command Line Tools もインストールされます。
特にこの方法でも問題はないのですが、X Code 自体が非常にサイズが大きい(10GB以上)、将来的に iPhone 用アプリを作るような予定がないのならば、Command Line Tools をインストールするためだけに X Code をインストールするというのはハードディスクの空き容量を少なくするだけなので、あまりメリットはありません。
2つ目の方法は、Command Line Tools だけインストールする方法です。これなら不必要にハードディスクの容量を消費しなくて済むのでオススメです。
ターミナルを起動して、以下のコマンドを入力してください。
$ xcode-select --install
以下のメッセージが表示されればインストールは完了です。
xcode-select: note: install requested for command line developer tools
Java をインストールする
Command Line Tools 同様、「Java がすでにインストールされていること」が前提となっているプログラムも多いので、Java についても事前にインストールを済ませておきます。
Java のインストールファイルはこちらのサイトからダウンロードを行います。
https://www.java.com/ja/download/mac_download.jsp
ブラウザ(Safari)で以下の画面が表示されれば Java のインストールは正常に終了しました。
パッケージ管理システムについて
さて、事前準備ができました。ここからソフトをインストールしていきたいところなのですが、その前に「パッケージ管理システム」というものをインストールしたいと思います。
パッケージ管理システムとは?
「パッケージ管理システム」(「パッケージマネージャー」とも言います)とはなんでしょうか?
Wikipedia にはこんな風に解説されています。
パッケージ管理システムとは、OSというひとつの環境で、各種のソフトウェアの導入と削除、そしてソフトウェア同士やライブラリとの依存関係を管理するシステムである。
パッケージ管理システム - Wikipedia
ちょっと難しいですね。
例えて言えば。
Mac は通常マウスを動かすことでいろいろな操作を行いますが(これを GUI /グラフィック・ユーザー・インターフェイスと言います)、先ほどインストールを行った Command Line Tools を使えば、キーボートからコマンドを打つだけで同じような操作を行うことができます(これを CUI /キャラクター・ユーザー・インタフェイスと言います)。なのでソフトウェアのインストールや削除もコマンド一発で操作できます。
依存関係とは?
例えば、Aというソフトウェアをインストールしたいと思います。そうした場合、実はAというソフトを使うには、Bというソフトがインストールされていることが前提、ということがあります。
また、Bというソフトも実はCというソフトがインストールされていることが前提、なんてことがあります。これが「依存関係」です。
なので、Aをインストールしたいだけなのに、「Cをインストールして、そのあとBをインストールして、そしてやっとAがインストールできる」なんてとても面倒なことが起こります。
Aをインストールする際に、「Aと依存関係になっているソフトは何か?」というのをいちいち覚えたり、調べたりすることはとても面倒です。
それらを一手に面倒を見てくれるのが「パッケージ管理システム」です。パッケージ管理システムを通してAをインストールしようとすると、その依存関係にあるBやCについての情報を教えてくれます。便利ですね。
パッケージ管理システムの種類
パッケージ管理システムには、パソコンのOSやプログラミング言語に合わせて様々な種類が存在します。
【代表的なパッケージ管理システム】
- macOS 用の HomeBrew
- Windows用の PackageManegement
- Ubuntu用の APT
- CentOS用の yum
- Javascript用の npm
- PHP用の composer
- Python用の pip
- Ruby用の gem
利用者は用途に合わせて必要なパッケージ管理システムをパソコンにインストールしていきます。
HomeBrew をインストールする
まずは、macOS用のパッケージ管理システムである「HomeBrew」をインストールしていきます。
Homebrew のホームページに中央にも記載されていますが、下記のスクリプトをターミナルにはりついてコマンドを実行してください。
$ /usr/bin/ruby -e "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/master/install)"
途中でパソコンのパスワードを聞かれるので、パスワードを入力します。インストールには数分ほど時間がかかります。
「Installation successful!」というメッセージが表示されたら、インストールは終了です。
念のため、正常にインストールされたか確認してみましょう。
以下のコマンドで Homebrew のバージョンを確認していましょう。バージョンが確認できれば、Homebrew が正常に動作していることになります。
$ brew --version Homebrew 1.3.2 Homebrew/homebrew-core (git revision aee7; last commit 2017-09-16)
ついでに Homebrew を最新版にしておきましょう。「brew upgrade」と「brew update」の2つのコマンドを実行します。「Already up-to-date.」というメッセージが出たら成功です。
$ brew upgrade $ brew update Already up-to-date.
(つづく)